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#6『クワイエット・プレイス(原題:A Quiet Place)』/無音の緊張に張り詰めた90分

 

PrimeVideoでホラー作品を検索していたところ、辛口評価と絶賛評価の混じった作品を発見し、興味が湧いて鑑賞したのがこの『クワイエット・プレイス』でした。「音を立てたら、即死。」といかにも恐怖を煽る文句が、想像を掻き立てられます。

quietplace.jp

 

『クワイエット・プレイス』は2018年公開のホラー映画です。アメリカでの公開同年に日本でも公開されました。監督はジョン・クラシンスキーで、実生活での妻であるエミリー・ブラントと、本作で夫婦役を演じています。

 

台は得体の知れない怪物によって荒廃した世界。人ひとりいなくなった街はずれで暮らしていたのがアボット一家です。怪物は盲目である代わりに優れた聴力を有しているため、一家は手話を使い意思疎通をすることで生き延びてきました。

 

物に末っ子の命を奪われて一年、妻のエヴリンは子供を身ごもっていました。ある日、夫のリーと息子のマーカスが食糧確保に出掛け、娘のリーガンもいない時、妻のエヴリンが産気づきます。不意に音を出してしまったせいで家に侵入する怪物。非常事態を察知した三人と陣痛に堪えるエヴリンの、音を出してはいけない戦いが始まります。

 

作は初っ端から「89日目」とテロップが表示され、戸惑いを覚えながらじっと設定の理解に努めることになります。手話を巧みに使う一家の様子に、建物内であっても風の吹く屋外でも声ひとつ出せない状況だと気付くと同時に、89日間もそうして過ごしてきたことにぞっとする出だしです。

 

いたのは登場人物がたったの六人だけということ。そのうち序盤に亡くなる二人は、音を立てると恐ろしい速さで怪物が来ることを、極めて印象的に描き、また他の四人も家族を守る父、陣痛に耐える母、弟の死に苛まれる娘、父や姉を助ける息子といった明確な役割があり、最小限の人数で最大効果を得ようとしていることがひしひしと伝わってきました。

 

ビューを見ていると、細かい設定に疑問を感じている人が多いようです。こんな状況で子供を作るのはおかしい、大人が二人いて幼い子供を最後尾に置くな、こんな弱い怪物に何故苦戦する等々……。確かにツッコミどころは多かったですが(裸足じゃなくて靴下履いた方が静かじゃね?と思っていました)、ラストの展開を見て、続編がバトルものになっていくなら、細かいところは気にせず「これがアメリカなんだな」と気楽に見るのが良いような気がします。

 

予算ながら『ドント・ブリーズ』『ゲット・アウト』を超える興行収入を記録した本作。最後の最後まで音を立ててはいけない緊張感が持続する、新感覚のホラーサスペンスです。続編も制作され、アメリカでは2021年公開予定とのこと。軽い気持ちで本作を予習しておくのもいいかもしれません。

(2018年/1時間30分)

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クワイエット・プレイス (字幕版)

クワイエット・プレイス (字幕版)

  • 発売日: 2019/01/09
  • メディア: Prime Video